冬に逆戻りしたような寒さの中、午後1時から講演会が始まった。
はじめに、「胃がん検診」を血液検査で行える方法が確立され、自治体の住民検診に取り入れられつつあるという話を私が行い、その後に函館五稜郭病院外科の秋山有史先生が「大腸がんの治し方」と題して講演されました。
わたしは、現在『ABC検診』と言われている(ヘリコバクター)ピロリ菌抗体価と血清ペプシノゲン濃度による分類を利用した方法が、胃がん検診として如何に理に叶っているかを述べました。
PG (-)、 HP(+) ・・・B群
PG (+)、 HP(+) ・・・C群
という分類になります。
【*PG(血清ペプシノゲン)*HP(ピロリ菌抗体価)】
ピロリ菌の感染が有るか否かで、がんの発生に大きな差がでてくることと、血清中のペプシノゲン濃度の値によって表現される胃粘膜の萎縮度の違いを合わせたグループ分類で検討してみると、共に陽性となる群では胃がん発生がみられるのに、共に陰性の群では発がんは全くなかったという事実は、今までの研究者らの実績によって証明されてきています。
熱心な聴衆の会場 |
A群は、どのくらいの割合かと言いますと、高崎市の乾純和先生による胃がん検診時の統計では、約49%程度でした。 つまり、40歳以上で胃がん検診を受けた人の約半数は胃がんの発生頻度的には極めて0%に近いということです。
さらに、県立がんセンター新潟病院参与の小越和栄先生の報告では、平成15年から胃がん受診者の5年生存率の算定が可能になったため、未受診群と胃カメラ・胃X線群の比較をしてみると、胃カメラも胃X線でも共に同程度の胃がんの5年以内の「死亡率減少効果」がみられたということです。 画期的な発表です。 今後大きな意味を持ってくる内容だと思います。
今までは、胃X線検診のみに死亡率減少効果がみられたため、他の検査方法は国の検診指針からは除外されていました。 胃X線検査を「錦の御旗」として、約50年間胃がん検診を行ってきたわけですが、これからはより効率的で、より身体にも優しい検診システムに進化させていく必要があるでしょう。
国が動かない限り地方は変われないように連動している今の行政では、「住民の声」がチェンジのチャンスをもたらすかもしれません。 今日集まってくださった皆さんに感謝し、今後のパワーの発揮を期待いたします よ