2008年12月29日月曜日

白神(2)

12/28(日)

 今年6月の第53回全道俳句大会で道知事賞を受賞した白神の 川内谷弘美 さんから、『白神岬』と題する句集をいただいた。  家族や俳句仲間の多くの応援によって今回はじめて発刊された。

 白神小学校の松本校長先生(故人)に出会って始めた俳句の一番最初の句は、

         雪解けて (あざみ)顔出す 春の里

で、一生忘れる事の出来ない句だそうです。 句集の奥さんのカタクリの絵手紙の栞もきれいで、

         青(すだれ)  鍵などいらぬ 村に住み

という句は、おおらかで、住民の連帯感の強い白神という土地をよく表していると思います。 白神岬という句集名は、父母はじめ彼も白神生まれで、そこの四季の中での句がおおいことと、文豪伊藤 整の生まれた所ということが由来のようです。

 今回の受賞の句は、

         船売って 海を見ている 頬被り

で、「松前の現状を俳句で多くの人に伝えたかった」そうですが、漁師のわびしさがズシンと伝わる淋しい風景です ネ

2008年12月27日土曜日

白神(1)

12/26(金)

 先日、白神(松前町)に住む叔母のご主人が獲ってきたタコをいただいた。 叔母は、わたしの母(チヨ)の末妹で、いまでは8人兄弟姉妹のうち2人だけとなった。 母は28年前に他界した。 

 ちょうど一年前の12月25日に、『松前古老百話 白神』が発刊された。 昭和45年、二人の学校の先生( A先生とY先生 )が、白神在住の明治生まれの古老の方々を訪ねて、明治から昭和までの白神の生活や文化、にしん漁の様子などを聞き取りしてガリ版製本した冊子を、地元の有志( Nさん )が実行委員会をつくり復刻版として再発刊したものです。 明治時代の白神小学校の様子も詳しく書かれている。 

 邦訳したD.H.ローレンスの『チャタレイ夫人の恋人』が、わいせつ文書にあたると警視庁に摘発を受けて一躍有名になった伊藤 整の父、伊藤昌整さんが日清戦争の後、白神に移り住んで白神小学校の先生をしていたので、古老の語りに白神で生まれたこどもの頃の整の名前もよく出てくる。 整をおんぶして転んで、整の額に大きなたんこぶをつくった話なども。 
 5歳まで白神にいた整は、小樽の塩谷村へ移り、後に小説家、文芸評論家となった。 小樽時代には『蟹工船』の作者の小林多喜二とも交流があった。 

 わたしが大学生の頃、母から ”伊藤 整なら、あのブルースの女王 淡谷のり子を白神に連れて来て、方々案内していたんだよ” と聞かされたことがあった。 遠いむかしのことです ネ

9番目

12/25(木)

 今朝の新聞に厚生労働省が発表した全国市区町村別の推計人口が載っていた。

 それによると、2035年の人口減少率は群馬県南牧村の68.3%が最高で、当町の福島は上位全国番目で、10番目が夕張市だという。 現在、5千8百人台の人口が、2千3百人台まで減ってしまう計算になるのです。

 渡島管内(2市9町)の2007年度の普通会計決算概要で、経常収支比率の平均は89.5%で、森町が98.9%、ついで福島町が96.0%と高かった。 経常収支比率とは、一般財源の収入に対し人件費や公債費などの経常経費の占める割合のことで、数値が高いほど財政の自由度が低い【道新による】、つまり数値が低いほうがいいのです。 福島町は、管内の平均より、6.5%も高いのです。 

 しかし、今年から始まった特定健診(メタボ健診)の受診率では、福島町は全道の市町村の中では、上位の番目でがんばっています。 健康に対する町民の意識が高くなってきているのかなと期待しているところです ヨ

 

2008年12月20日土曜日

エゾエンゴサク





12/18(木)

 今日『風のガーデン』の最終回だった。

 貞美(中井貴一)は、父の貞三(緒方 拳)と、むすめのルイ(黒木メイサ)のふたりの家族に見守られながら、" アノ世ヲ "という言葉を最後に、増やした麻薬の効果もあって、深い永遠の眠りについた。

 倉本 聰は、このドラマのキャストをいつ決定したのだろうか? どうしても緒方拳が、末期のすいぞう癌の貞美にダブって見えてしまうのです。 大学病院の看護部長の内山妙子(伊藤 蘭)が貞美に会いに来たが、  自分は地方の町医者で在宅医療専門をやっていて、大学病院のような進んだ材料も設備もないが、患者をこの目で見、直接触れることで家族を安心させられる。 しかも患者さんが馴れ親しんだ場所で、本当に愛する人たちに囲まれて、家族と一緒に最期を闘うのは、患者さんを一番安心させられます。 そして、ここが一番大事なところですが、ご家族も一緒に闘ってくれることで、愛する者の死を納得できるンです  と、貞三に言わせている。  恥を申しますが、うちは永いことバラバラでした。でも、あいつの最期を一緒に闘うことで、家族が初めて結ばれつつあります。 ですから、他の方の手伝いは、ありがたいですが、お受けしたくないンです  とも。 

 富良野を舞台にした三部作は、いずれも家族がテーマだったような気がします。 『北の国から』、『優しい時間』、そして『風のガーデン』は、父と子(おやこ)の物語だった。 今回、松前町に住む高校の同級生の S君が、シナリオ本を持ってきてくれたので、内容を詳しく知る事ができた。 感謝!

 ドラマのラストシーンは、群生するエゾエンゴサクの鮮やかな空色が印象的です。 それはルイの一番好きな花で、花言葉は “妖精たちの秘密の舞踏会” だそうです。 

 わたしの住む町でも、 5月の山道を歩くとカタクリの群生に混じって可憐なエゾエンゴサクの花を見ることができる ヨ

 

若者力


12/16(火)

 ことしのスポーツ界を賑わせたのは、若者たちでした。 とくに、年末になって注目されるのは、ゴルフの
石川 遼君とフィギュアスケートの浅田真央さんです。 ふたりとも、まだ十代です。

 ピンチのはずのアプローチショットがカップインのバーデイだったり、絶対絶命のウオーターショットもピンそばすぐ近くにつくなど、見守るギャラリーをハラハラドキドキさせるが、やることなすこと全部が遼君に味方しているみたいだった。 ショートプログラム2位からスタートした浅田は、プレッシャーのあるなか、果敢にも史上初となるトリプルアクセル2回を成功させ、逆転優勝した。 スタンドの喝采は鳴り止まなかった。

 試合で好成績をだせるのは、まぐれやラッキーの連続ではなく、普段の不断の努力の賜物だとおもう。 ふたりとも、インタビューの受け答えもすばらしい。 わかものの力は、無限のようです ネ

健康だより



12/15(月)

わたしの生まれ故郷 福島町に内科主体のクリニックを開業して19年目を迎えています。
その間、多くのみなさまに支えられてきました。  ひとりの開業医ができることには、限りがあります。 
ひとりひとりの患者さんに適切な医療を受けていただくためには、他の病院との緊密な病診連携が必要ですし、健康で長生きするための守るべき健康情報を知ってもらう事も大事なことです。  そうした医療の情報を少しでも発信することが、みなさまの健康寿命の延伸につながってくれればと思っています。 

オガクリ健康だより』は、今日発行します。  不定期の発行になると思いますが、どうぞ長い目でみていただけたらと思います。   よろしく ネ
今回 クリニックのHPの作成と、健康だより、ブログのレイアウトなど、すべてを長男がしてくれた。 団塊世代のわたしにとって、おおきな贈り物である。 感謝!

2008年12月14日日曜日

チョウ


12/13(土)


 今日の話題としては、道新幹線の長万部ー札幌間の09年度着工の与党案がまとまったとか、「今年の漢字」が 『変』 に決まったとかいう師走の記事内容が多い中で、NHKーTVの ドキュメント現場 という放送に関心した。


 福島県に住むK内科医師が、アサギマダラというチョウが列島縦断することに興味を持ち、自分の住む裏磐台高原のデコ平から、1500Kmも離れた奄美諸島の喜界島までチョウを追って旅をするという話です。 途中、チョウの飛来が遅いとチョウ採取仲間らとの交流をしながら、長野県の大町のフジバカマのお花畑での捕獲確認(デコ平でマーキングしたチョウを確認するため)や、愛知県の三カ根山での捕獲事情(温暖化のためか寒いはずの本州で産卵してしまうチョウもいる)等、 移動に日数がかかったことは今年の異常気候に問題があるなどと取材していた。 台風や上昇気流をうまくとらえて空高く舞い上がることができるアサギマダラは 52日間かけて、福島デコ平から南の島へ旅したことになったといいます。


 一方、南の島から日本列島へ移動するアサギマダラは、最近では北海道にも飛んできているそうです。 新幹線よりは遅い、ゆっくりした空の旅もいいでしょう ネ

 

2008年12月10日水曜日

議会


12/10(水)

 「開かれた議会」づくりをめざしている福島町議会が役場で町民懇談会を開催したので参加した。  12人の町議会議員と町内の各団体や企業の代表、そして前福島町まちづくり基本条例町民検討委員会の委員などが出席した会で、
『福島町議会基本条例』(素案)についての質疑、意見交換が行われた。

 
 2006年5月、全国にさきがけて北海道栗山町議会が議会基本条例を制定し、議会を議員、町長、住民などが自由に討論できるフォーラムとして位置づけたそうです。 その後ある開発計画の事案では、議会は住民との討論の結果を踏まえて、計画の8割を修正させた内容で執行機関(町)と合意したそうです。   町民の意見がおおいに反映された好事例といえます。  福島町の議会も”町民が実感できる政策を提言する議会”となってほしいと願います。

 それにしても、議会で使われている用語は、解説がなければピンとこないものが多く、苦労します。二元代表民主制、地方分権、合議制、独任制などなどです ガ

 

2008年12月9日火曜日

小児救急


12/7(月)


 北海道医師会と北海道小児科医会の主催で、『北海道小児救急地域医師研修会』が函館のホテルで行われた。 今回が4回目で、とてもために成る会でした。

 
 私のような小児科専門医でない開業医のところにも、子どもが急に熱をだしたとか、咳が止まらないなどと、子どもを抱えてあわてて駆けこんでくるお父さんお母さんがいます。 よく話を聞き、顔色などをみながら診て見ると、ほとんどは心配もなく、お薬や注意点を話すだけで良くなる場合が多いのです。 
 それでも、発熱、腹痛、せき、誤飲などの時、ここだけは特に気をつけて注意して診なければならないところがあるのです。 今回の会では、そうした大事なポイントを、症例を提示しながら詳しく教えてくれた。 意識障害、けいれん、ショックの時の救急蘇生などまでも取り上げて説明してくれたので、講師の E先生、 Y先生には大変感謝いたします。

 地域の小児科医の不足は、早急には改善しそうにありません。 お父さん、お母さんに子どもの病気のことや、家庭でできるホームケアのことなどを話せるちょっとした集まりの会をつくることも必要ですよネ

2008年12月5日金曜日

イルミネーション


12/5(金)

 仕事を終える5時頃になると、外はもう真っ暗で、少しの明かりでも目に鮮やかに映ってくる。 町内でも師走のクリスマスシーズンにあわせてライトアップする家々が増えていて、なんとなくうれしい気分にさせられている。

 当町は全国一の”するめ加工の町”という別名があるくらい、いかの加工場が多く、たくさんの主婦の働き場所となっている。 この時期は時々残業もするほど忙しいそうです。 そんな町をあるネオンがPRしている。 道の駅の屋根に掲げられたイルミネーションは、少しづつ種類がふえて、静かな夜の街並みを照らしている。

 この『明かり』は年中照らし続けているのが特徴で、ガンバレ福島と叫んでいるようだネ

2008年12月4日木曜日

健診

12/4(木)



 今日、役場である会議がおこなわれ、委員として出席した。 その会のなかで、改めて住民健診の大切さを思い知らされた。 今年病気が重く、ある程度高額な医療費の掛かった人たちは、今まで健診というものをまったく受けていなかったそうです。 

 昨年までは、早期発見を目的とした健診(二次予防)が一般的だったが、今年から特定健診という、いわゆるメタボ健診がはじまった。 生活習慣を見直そうという一次予防です。 当町は中間報告ながら、全道の市町村の中で、その受診率は40%を越えて、第9位です。 一方、がん検診の受診率は、まだまだ低く、いかにアップさせるかが今後の課題です。 健診(検診)のあとの、きめ細やかな対策ももちろんとても大切です。

 健診受診率の上昇は、わたしたち町民の”健康”への関心の高さを表しているものです。 医療と保健に携る者は、その関心がもっともっと高まるように住民啓発を心がけていくべきですよネ。

2008年12月3日水曜日

学校保健

12/2(火)

 渡島学校保健会会報(第23号)が届いた。

 今、運動不足の生活が子どもたちに定着しつつあるそうで、スポーツ少年団やスポーツクラブで運動している子どもと、ほとんど運動しない子どもの差が一層広がり、運動習慣の二極化 (一部の「トップアスリート」と「カウチポテト」) が進んでいるそうです。 この体力低下の問題と、生活習慣や食生活の乱れの問題 そして心の健康について積極的な健康づくりを進めていかなければならないと、同会の  会長は力説している。

 学校だけでなく、家族と地域が連携して課題の解決にあたっていくべきということは、当町の 『いきいき健康ふくしま21』 のプロジェクトにも当てはまるわけだ。 6期に分けたライフステージのうち、子ども期(6~18才)への働きかけを重点的にする必要がある。 先月行ったワークショップを学校でもやれないだろうか?
 
 どんな意見がとびだすか、とってもおもしろいと思う ガ - - -

2008年12月2日火曜日

病院の言葉



12/1(月)

 今日から師走。 まったく月日のたつのは早いもので - 

 昨年の10月、国立国語研究所が『病院の言葉』委員会を発足し、病院で使われている言葉を分かりやすくする提案の中間報告を発表した。 それへの意見を今日まで募集していた。 集まった意見を踏まえて来年3月頃に最終報告をまとめる予定だという。 イレウス、誤嚥(ごえん)などは、日常語で言い換える。 腫瘍(しゅよう)、腎不全(じんふぜん)は、正しい意味を、ショックや貧血は混同を避けて明確に説明するべきと 57の「病院の言葉」を類型にそって分類している。

 今回の提言で委員会が目指したのは、”医師と患者の間で情報の共有と合意の形式を確かなものにし、信頼関係を構築しょうとしたものです” とのことです。

 意思疎通はどの分野でも大切ですが、医療ではとくにですネ