2012年1月3日火曜日

正月三が日

「なご美会」
昨年のニュースから。 札幌のある有名ホテルが企画した「正月用のお節料理」がキャンセルされたという話題です。 

キャンセルしたのは、ホテル側の事情があったからです。 というのは、中華料理を担当していた従業員が年末に「急性ウイルス性腸炎」に罹っていた事がわかったからです。 非常に感染性の強いウイルスで、全道各地で流行っています。 ここ道南でも、保健所が感染の注意報を出しているこの頃です。 特に、保育・幼稚園などでは多くの園児が罹患しており、老人施設でも同様な事態が心配されているところです。

件のホテルは、ほとんど完成していた「お節」でしたが、調理人の一人から感染者が出てしまったため、予約者の元へ配達中止の断りの連絡をするという苦渋の決断をしたそうです。 予約者からはガッカリしたという不満の声もあったようですが、安全第一ということを考えれば、ホテル側の判断は正しかったと考えられます。 

もう数年も経ちますが、ある食品会社で「お節」の予約を取りすぎて、大晦日の配達に間に合わなかったという事件があったが、これなどは詐欺に近い悪質な取引ですから罰せられて当然だと思います。 今回の場合は、自らもたいへんな損害を被ったはずだが、健康被害のことを考慮すれば当然でしょう。


ただ、それにつけても各家庭で自慢の「お節」を作らなくなったということは、年末で忙しいからなのか、作るのが面倒だからなのか、それとも一流料理人のつくる「お節」を食べてみたいというグルメ的発想だけからなのか・・・分からないが、もっと親の代からの自宅の味を大切にしてもいいのではないでしょうか。 

ちなみに、年末に来院した患者さんに「くじら汁」を作りますかと聞いたところ、半々くらいでした。 捕鯨という難題はありますが、道南の正月は「くじら汁」が定番だったはずなんですが ネ