今週の24日の月曜日に北海道医師会主催の「うつ病・自殺予防研修会」が、函館のロワジールホテルで行われました。 雨の激しく降る中、6時30分開会に間に合わせて福島町を出発することは少々大変でした。
会場は、ほぼ満席になっていたがプロジェクターの調子が悪く、開始時間が少し遅れて始まりました。 座長は地元函館市医師会理事の三上昭廣先生がつとめ、講師は道医師会産業保健活動推進委員会委員の松原良次先生が行いました。 松原先生は、精神疾患の分野においては第一人者で、講演回数も多く、今日のお話も「立て板に水」という塩梅の進行でした。
日本の『うつ病』の有病率は、一生の間に15人に一人(6.5%)、一年の間に50人に一人(2.2%)だそうです。
『うつ病』の症状は9つにまとめられますが(右の絵)、“抑うつ気分”と“興味または喜びの喪失”の両方に該当する症状を有する場合は、スクリーニングとしては90% 『うつ病』だと言えるそうです。
よく言われることは、うつ病などの精神疾患患者の増加は、経済状況と反比例するということです。 失業率が高くなると有病率が増えるということです。 悩みが多くなれば・・・。
さて、今朝の道新に載っていた記事は、私たち医師にとって注意しておくべき事例となることでしょう。 大阪地検の判例ですが、自律神経失調症だった男性が医師から「病気やない、甘えなんや」「薬を飲まずに頑張れ」などと力を込めて言われたことについて、「安易な激励や、自助努力を促すような言動で病状が悪化する危険性を避ける注意義務に違反した」と述べ、医師の発言と患者の病状悪化の間に因果関係があると認めました。 違法と見なされ、530万円の損害賠償訴訟に対して、60万円の支払いを命じたという囲み記事でした。
ある先輩から「医師は言葉に始まり、言葉に終わる」という名言を迷言(?)と思っていた時もあったが、今回の新聞記事をみればその意味がよくわかりました ネ