2011年4月29日金曜日

アルツハイマー病の治療~抗体開発~

「なご美会」熊谷正春
高齢(化)社会を向かえているわが国では、認知症の患者さんも増えており、85歳以上のお年寄りの4人にひとりは「アルツハイマー病」とも言われています。 その成因はアミロイドという物質が脳細胞に沈着し、老人斑として観察されることから、アミロイド物質が原因だと言われていましたが、直接的に証明した報告はありませんでした。

今回、弘前大学の脳神経内科学講座の松原悦朗准教授の研究グループが世界で初めてアルツハイマー病の原因をアミロイドβ蛋白(Aβ)の重合体であることを特定し、さらに新しく開発したAβ重合体に対する抗体を用いたマウス実験(*)によって、アルツハイマー病の発症予防も可能であることも実証しました。

松原先生は「さらにワンステップ必要だが、アルツハイマー病は予防可能な病気と考えていいのではないか」との考えを示したと、陸奥新報(4月27日)は伝えています。 

これからのわたし達にも福音となることでしょう ネ


《 マウス実験(*)研究グループによると、記憶障害を発生させる前のアルツハイマー病モデルのマウスにこの抗体を投与すると、細胞内外のAβ重合体の蓄積が予防され、記憶障害も認められず、記憶は同年齢の健常なマウスと同等に保たれたと言うことです。
また、記憶障害が発生したマウスへ抗体を投与した結果、記憶の回復が認められたと言います