2011年4月12日火曜日

今年のマスターズ

日本の若者二人が「第74回マスターズトーナメント」で大活躍した。 ともに19歳の好青年である。 ひとりはプロゴルファーの石川遼選手、もうひとりはアマチュアゴルファーの松山英樹選手(東北福祉大学1年)である。

松山選手は、昨年10月に日本で行われた「アジアアマチュア選手権」に優勝し、今年の「マスターズ」への出場権を、日本のアマチュアゴルファーとして初めて獲得しての出場でした。 昨年は、「日本オープン」にも出場し、その実力を発揮して上位入賞を果たした実力派です。

とは言っても、世界4大“メジャー”トーナメントの一つのアメリカ・オーガスタの「マスターズ」は、難コースで有名で、日本人としては過去に井沢利光選手の4位入賞が最高位の結果です。 ジャンボ尾崎でも、まったく歯が立たなかったコースでもあります。 いわんや、アマの松山選手などどうなることか・・・と、戦前は評価されていたかも知れません。 なぜなら、プロのあの石川遼選手でもここ2年続けて予選落ちですから!

しかし、あれよあれよという間に、アマでただ一人予選を突破し、その時点で「ローアマチュア」に決定した。 後は、どれだけのトータルスコアで4日間を終えられるかというところに興味が集まっていた。 結果は、(-1)というアンダースコアの27位という順位でした。 なんという快挙でしょう。

だが、この華々しい結果につながるための重大な決断があったことを、インターネットの記事で知りました。 彼の大学は、このたび大震災に見舞われた仙台市にあります。 その日(3月11日)、彼は豪州で大学の合宿に参加していた。 

その大学宛てに、『出るべきではない』などのメールが届いていたと、大学の阿部靖彦監督が明らかにした内容です。 合宿から帰国した彼は「「出場するかどうかは、被害状況を自分の目で見てから判断したい。出るとしたら、東北の方に勇気を与えられるようなプレーをしたい」と揺れる心境を語ったそうです(3月21日 読売新聞)。 

被災地を思い悩みぬいた末に出場を決断し、「ローアマ」となった松山選手は表彰式で、「マスターズのプレーがみんなに希望と喜びを少しでも与えられたと思う。 オーガスタのみなさんの応援に感謝します」とあいさつし、会場からは大きな拍手と歓声が沸き起こったという。 「マスターズで4日間プレーできて本当にうれしく思う。 日本が今大変な状況だが、勇気を与えるプレーができてよかったと思う」とも振り返った。

さらに、今後の予定については、「日本に帰ってボランティア活動をして、大学を卒業をしてからプロの道に行きたい」と力強くTV画面で語っていた。

とにかく、今年の「マスターズ」は松山選手に尽きます。 表彰式の模様もこの度はじめてTV放送で見ることができた。 グリーンジャケットに袖を通すチャンピオンの表情が素晴らしい。 いつの日か日本人ゴルファーもその場に立つのも夢ではないかも知れません ネ