2011年3月8日火曜日

コレステロールは高い、低い?

「なご美会」熊谷正春
最近、奥村 康先生が「LDL-コレステロ-ル(LDL-C)高値のほうが長生きするとの議論があるが、動脈硬化学会は当然反対である・・・」という文章で始まる『LDLは感染症に対し善玉として働く』という題のエッセイを日本医事新報No.4532のプラタナス欄に投稿しています。

動脈硬化学会の主張で、「LDL-C高値で有意に死亡率が減ることはなく、肝臓病等によってコレスレロール値が低下した患者が死亡するのは、原因疾患のためだから」と推論してましたが、最近の自治医大コホートで否定されたそうです。

そこで、奥村先生はLDL-C高値が原因となり寿命を延ばすことになる可能性はまったくないのだろうかと考え、上記の感染症との関係を考察したようです。 

大槻らの伊勢原市での疫学調査ならびに米国ノースカロライナ州での20年間の追跡調査から総コレステロール値が高い方が明らかに肺炎とインフルエンザで入院する人が少なかったし、死亡率も減少するというデータが示されました。 さらに動物実験でもマウスのLDL受容体をノックアウトし、LDLを高値にすると感染抵抗性が増し、死亡率が激減したという報告もあることを考えあわせると、本当に「悪玉コレステロールは悪いのか」という議論になります。 

動脈硬化という面から見れば「悪玉コレステロール」だが、他方感染症という面から見れば「悪玉?」とは言えないということで、なんとも不思議な話です ネ