2010年7月4日日曜日

鰹節と世界最古の企業

6月16日の道新夕刊のコラム「魚眼図」に、『鰹節を削る』と題した乾淑子先生(東海大教授=美術史、民族衣装)の文章が載っていました。 

カタログ商品を選ぶ機会があった時に「鰹節の削り機」を注文して使ってみたら、はじめは慣れないために指を削っていたものの、そのうち上手になり毎日美味しい味噌汁を飲めるようになったそうです。 鰹節が庶民にも大当たりしたのは江戸時代中期で、パック詰めでは及ばない美味しい味を家庭で享受するための削り機の発明はいつのことか分からないが、画期的な発明品だったと思われ、わざわざ手間のかかることをするのは単なるノスタルジーではなく、昔のみそ汁の方が美味しかったなあ、と思ったからだと書いていました。

「現在でも生き残っている古い技術や品物は実用的な意味があって残ったのだろう。世界一長寿企業が多いという日本で、その多くは製造業であるというのもそういうことに違いない」と最後は結んでいます。

生活スタイルの変化といえばそれまでですが、先生が子どもだったころは毎朝削っていたらしく、それが日課だったようです。 忙しい朝の主婦の味方として登場したのが、パック詰めの鰹節という画期的な商品ですが、何か大事なものを忘れてしまったような感覚がするということでしょうか。


ところで、世界の最古(長寿)の企業といえば、創業578年の「金剛組」のことです。 聖徳太子の時代の話で、大坂に四天王寺を建立するため百済から宮大工3人を招聘したそうですが、そのうちの一人に金剛重光という人がいて、彼が初代となって企業を起こし、以来1400年以上にわたり日本の寺社建設を担ってきているそうです。

200~300年後まで持ち続けるという日本の木造建築の技術は、1400年にも亘って伝承されてきているのです。 経営という点からすれば、必ずしも優良企業ではなさそうですが、守り継承されてきている宮大工の「匠の技」は、日本が世界に胸を張って誇っていいものだと思うが、いかがでしょう カ

(絵手紙は、今年 百歳のおばあちゃんのために描いた松前の花田冨さんの作品)