2009年2月26日木曜日

いずみ欄

2/26(木)
 今朝の道新の『いずみ』欄は、札幌市の和田美穂さんの「お父さんへ」という共感を呼ぶ投稿記事だった。 『いずみ』欄は、女性の読者からの投稿を載せているもので、いつも気になって読んでいるページです。 

     和田さんのお父さんは、がんのために先月亡くなった。 54歳という若さ
     で、酒もタバコもやらない仕事一途のひとだった。 ある時、自宅のテー
     ブルの上に千円札が落ちているのを見た和田さんは、自分のものだと
     とっさにウソをついたが、悪いと思って間違いだと訂正したが、その時優
     しいお父さんからひどくお尻をたたかれた。 たたかれたのは、人生で
     その時の一回だけだった。 そのことでお金の大切さを父から教えられた 

という内容です。

 わたしの母も50代という若さでクモ膜下出血で亡くなった。  母は8人兄弟の次女だったので、尋常小学校の授業は妹弟の面倒をみるためにおんぶして受けたので、教室の外にいることが多かったそうです。  卒業と同時に、松前町のおおきな商家に奉公にだされた。  学歴のない母は、すべてに苦労したそうで、お金のこともそうでした。 ある時、誰もいない居間のいつも掃除をしている所に小銭がおいてあったそうです。 大金でもないので、とも思ったが、気ずかないふりをして、そのままにしておいたところ、そのことがきっかけで奥さまにたいへん気に入られたという昔話を、小さいころ炉端でよく聞かされた。 

 テレビもない子供の頃のことで、そうした体験談は子供の心にも何らかの教えとして、砂に水が浸み込むように今でも深くしっかりと入り込んでいるんです。  教育もなく貧しかった母だが、生きていく術というものを、仕事をしながら獲とくしていったんだと思います。 

 わたしは、今でもそうした母を知っているという患者さんにときどき出会います。  生まれ故郷で開業したからこそ味わえる、最高の出会いだと感謝しています ヨ
  (写真は、せっけんで作った花です)