2009年2月6日金曜日

赤ひげ


2/5(木)

 黒澤監督の名作『赤ひげ』が、NHKの“あなたが選んだ黒澤アンコール”で、全作品中 第2位となり、今日再放送された。
  
 江戸時代の小石川養生所を舞台に、赤ひげ先生と言われて患者から慕われている医師(三船敏郎)の生き様と、長崎帰りの若きエリート医師の保本(加山雄三)が、実際の医療の現場で直面する様々な困難や悩みや苦しみを通しながら、患者の “いたみ” をわかる医師として少しづつ成長していく様を、重厚なタッチで描いている作品です。 
 何度目かの再放送だったが、観るたびに少し感動が違うように感じる。 
  今日 気になったのは、元蒔絵師の六助(藤原鎌足)が、すい臓がんに侵されて沈黙のうちに(うめき苦しみながらだが)、死んでいった場面です。   黒澤は、はじめて臨終に立ち会う保本に向かって、  ~人間の一生で臨終ほど荘厳なものはない~  と、赤ひげ先生に言わせている。  しかし保本は、その場にいたたまれず、逃げてしまう。 学問と、厳しい現実の違いを痛いほど思い知らされたのです。


 医学の技術、学問の進歩は、今と江戸時代では大違いだが、人を思う気遣いや優しい気持ちは変わらない。 地域医療での医師不足が叫ばれている。 心ある医師は・・・ (1/25地域医療)