今週、道新で「認知症と家族」というサブ・タイトルを付けて3回のシリーズ特集記事を載せている。
介護者の心情が認知症患者の症状に表われるところから、その本人と介護者(家族)の気持ちは『合わせ鏡』とも言われます。
精神科医の長谷川和夫さんは『認知症ケア』(永井書店)の中で、
介護していく中で互いに向き合う認知症高齢者と介護者の間には「合わせ鏡」が存在する。 それぞれの心が合わせ鏡によって、もう片方の相手の心を鮮明に映し出します。
と述べています。 長谷川和夫さんは認知症のスクリーニング法として、また重症度を簡便に検査できる方法としての「長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」を開発した先生です。
高齢化の進んでいる日本では、これから認知症の患者さんが増加すると予想され、85歳以上では4人に1人が認知症と言われています。 世界的にみても、2050年には今の日本の人口(およそ1億2千万人)と同じだけの患者数になるという予測もだされていています。
認知症に大切な三要素 |
また、若年(50代)の患者も増えており、本人は仕事を辞めざるをえなく、また家族の介護の負担が増すという現実も大きな社会問題となりつつあると思います。
ただし、救いなのは昨年から認知症の治療薬が3剤承認され、治療の選択肢が増えたことです。 より治療がしやすくなり、専門医からの臨床効果の報告も出始めて、わたしたち一般医でもその治療方法にそって処方することで効果のみられる患者さんもいるということです。
特に、若年の患者で薬の効果がでてくると、今まで家に閉じこもっていた方が、それまでと同じ様に趣味を始めたり、パークゴルフへ出かけたりするようなケースもあるといいます。 それだけ効果が著しくみられることもあるので患者はもとより家族の方々も前向きな気持ちになっていいのではないでしょうかと、ある専門医は話しています。
そのためには病気を早期に発見し、できるだけ早期に治療を開始することが大切だということです。 さらに、そのような認知症に陥らないためには、生活習慣病に気をつけるということです。 血圧のコントロールとともに糖尿病にはならないようにすることが肝要です。
「特定健診」はとても大事な健診だと考えて下さい。 本当に糖尿病は万病の元凶です ヨ