渡島医師会の学術講演会が昨夜函館のホテルで行われました。 職員や家族も参加しての講演会で、「被ばくによる健康リスクとフクシマ」と題して広島にある放射能影響研究所(放影研)の理事長の大久保利晃先生が講師として話して下さいました。
放影研は、戦後アメリカが建てたABCCという原爆被ばく放射能の研究所から1977年に日本とアメリカが半々づつ経費を出しあう公益財団法人として設立された研究機関で、広島市の比治山にあります。 実際は一般人の方々にも開かれた研究所で、国内外からの見学者があるそうです。
かまぼこ型の屋根をした建物はABCCの当時からのままだと理事長が話されていましたから、耐震性、耐久性に優れている構造のようです。
話が難しいだろうと覚悟をしていたが、理事長自ら「わたしは公衆衛生専門で放射能のことは素人だから、素人のわたしが理解している範囲の放射能、放射線のことをお話します」と前置きして話し始めました。 なんと率直なお人柄だろうと感心しながら話に耳を傾けました。
医療被ばくやその他の被ばくでの発がんのリスクの解明は放影研が65年間蓄積している研究成果などから行なえるという意味においても研究所に期待が集まります。
ただ、今知りたいことは「フクシマ原発」のことがメインという意味もあり、フクシマ型の被ばくについて外部被ばくと内部被ばくにわけ、物理的・生物学的半減期など分かり易く説明してくれました。 最後のスライドは「ただしく怖がる」というもので、放射能にたいしての正しい知識をもつことの大切さも強調していました。
一部には放影研に対する「ある」見かたがあるのも事実のようです。 それまでの歴史的なことも含めて詳しく判らないので意見は差控えますが、懇談の席で理事長のお話を伺っている限りは「原発で使用される放射能の最終処理施設が確保されない限り原発運転はやるべきではない」という意見を持っている方です。
函館港の夜景を見ながら、津軽海峡の”豊饒な海”を守りつづけたいと思わずにはいられなかった ヨ