2010年2月14日日曜日

加齢適応とは

2/14(日)
 今日のバレンタインデーは、さておき道新の記事から話題を拾ってみました。

 わたし達が健康診断した時、正常か否かは血液検査の場合、基準値に照らし合わして判断されます。
この基準値は、検査する病院や検査センターによって違いがあります。 血液検査の精度を上げるため、大規模な国際研究が進んでいて、山口大学の市原清志教授が責任者を務めているという記事が道新に載っています。
 
 確かな基準範囲を決定するために、20~60代の多数の人のデータを集める必要があると述べています。 国内50施設と韓国、中国、マレーシアなどアジア地域の20施設からもデータを集めるそうです。基準値とは、正常か異常値かを区別する基準で、その判断には大変苦慮することがあるからです。

 
 一方、「老いの願い」と題した86歳の方からの『いずみ』への投稿も、同じ日の道新に載っていました。 めまいで入院して一週間がたって自分が病院に入院していることに、自分のいる環境にやっと気付いた時、こうした介護を受けられる今のじぶんに感謝すると共に、これから少子高齢化のため若い人達がはたして同じような介護・医療を受けれるだろうかと思案してしまうという内容です。

 86歳は日本女性の平均寿命にあたりますから、投稿した津田さんも思わず「こんなにお世話になっていいのだろうか」とベッドの上で思ってしまったというわけです。 

 こうしたことに関して、加齢に伴って生じる老化に対し、加齢適応現象が展開されてくるので、高齢者の場合の症状は年齢によるものか疾患なのか診断に困難な場合が多いと、信州大名誉教授の橋爪潔志先生が、『日本医事新報』の1月号で述べています。 老化のようにみえる症状でも、内分泌的にみると、甲状腺の機能低下や副腎皮質機能低下、下垂体機能低下だったりの治療を必要とする疾患が隠れている場合がある反面、50~60代になれば血糖値が上昇してくるのが加齢適応なんだから、糖尿病と診断して治療したらダメだと断言しています。 メタボリックシンドロームは加齢適応症候群であり、二人に一人がメタボ基準にあてはまるという診断基準は暴挙であるとも言ってます。 

 厳密・厳格な血糖コントロールは、およそ60%に「うつ状態」をはじめ「物わすれ」、「総死亡率を上昇させた」というデータがあるそうです。 ある意味、たいへんショッキングな論文であります。 

 日常の高齢者診療により細心な対応をしていかなければならないということです。 個人差など配慮する点はいくつもあります・・・。正常の基準値を高齢者にそのままあてはめれない、あてはめて判断したら危険だよということになるんでしょう ネ