2010年2月9日火曜日

新型インフル肺炎の解明

2/9(火)
 新型インフルエンザによる肺炎の発症の仕組みの解明に成功したと新聞報道がありました。  この画期的な研究成果をもたらしたのは新型インフルに罹り、道内初の死亡例となった女性保健師の遺族の協力があったからだとも報道していました。

 この肺炎の発症メカニズムを世界で初めて解明したのは、北大医学部の研究チームというから、二度ビックリです。 新型ウイルスが肺の細胞を直接破壊するという事実を突き止めたのです。(右図は、道新からの引用です)

 肺胞の表面にあって肺胞の収縮を滑らかにする表面活性剤を作る細胞が多数壊れていて、そこに新型インフルエンザウイルスが直接関与したように存在していることが確認できた。 表面活性剤を失った肺胞が収縮を繰り返していくうちに細胞がどんどん壊れていって、急激な病状の進行となり、結果的に呼吸不全に陥ることになるという発症メカニズムです。 
 一方、季節型のインフルの場合の感染は、直接肺胞ではなく気道上の細胞に限られ、肺炎はウイルス感染で弱った肺への細菌の二次感染で発症するので、そこのところが大きく違います。

 この成果は、ただちに臨床に生かされていました。 新型インフルによる肺炎に罹り意識不明の重体となった11歳の女の子の命を救ったというものです。 つまり、肺胞が破壊されないように分泌液成分を直接吸入することなどを実施したことで一命を取り留める事が出来たのです。


 
 さて、この世界初の発見に結び付く成果に貢献した保健師は、利尻島で保健活動をしていた40代の女性でした。 彼女は、阪神・淡路大震災や有珠山噴火、新潟県中越地震で被災者の心のケアにあたるなど、道内外で精力的に活動もしていたそうです。  その母親は、「医学の発展に貢献できたことは、娘も本望だったと思う」と気丈に話す半面、「今でも休みになると帰ってくるんじゃないかなって感じがする。いつまでも、そう思い続けるでしょう・・・」とも語ってくれたそうです。 

 親として、複雑な心境であることは当然でしょう。 こころが休まるようになって欲しいものです ネ