千葉県南房総市に「がん探知犬育成センター」という施設があり、そこにわが国初のがん探知犬『マリーン』がいます。 マリーンは8歳のメスのラブラドルレトリバーで、もとは水中探索犬だったが、嗅覚が並はずれて良かったため、所長の佐藤悠二さんが、がん患者の呼気を東京都内のクリニックから提供してもらい、がんを“かぎわける”ことができるように訓練したそうです。
福岡歯科大医科歯科総合病院の園田英人先生が、大腸がん患者と非がん患者の呼気や便汁をランダムに育成センターに送り、2008年から8カ月間データを取ったところ、正答率は100%に近かったという発表を昨年10月の日本癌学会で行いました。 もちろん佐藤さんも答えを知らないで行ったもので、「驚きですが、紛れもない事実」と話したそうです。
その後、大腸がん患者の呼気を嗅がせて、胆管がん、前立腺がん、乳がん患者などの呼気を入れた箱と非がん患者の呼気を入れた箱を識別できるかテストしたところ、みごとがん患者の箱を当てたそうです。
ですから、がんを患った人には共通する特有なにおいがすることは想像できますが、がんの何を嗅ぎ分けているのかはまだ分かりません。
「においで病気が分かったら医者は要らない」と、育成を始めたころ佐藤さんはある医師に言われたそうですが、今では国内外の研究者が、手掛かりを求めてアクセスしてくると言います。 においで病気が分かる時代がくるには、マリーン以外の犬の後継者が必要で、現在4匹が訓練中だということです。
新年早々、驚きの記事を道新で読みました。 共通するにおい物質が分かれば、今よりも簡単にがん検診ができるようになり、医者の仕事もより精密な診断と治療の方面に注がれるようになっていくことでしょう ネ