地域医療の連携をめざした講演会が函館で行われました。 函館市内の公立病院の専門医が、自験例を提示しながら、疾患の診断や治療のポイントなどをわかりやすく話してくれるというもので、地方の一般診療所の開業医(町医者)には大変有意義な講演でした。
閉塞性動脈硬化症(PAD)という病気は、歩いている途中に片側の足の痛みのため、歩行を中断せざるをえないという間欠性跛行や足の指に潰瘍・壊死ができるもので、65歳以上の人の10%が罹患するといわれています。 函館市の65歳以上の人数は、約7万人ですから、7000人の罹患者がいると統計的に予想されます。 最近は、血管移植などの手術より、ステントを用いたカテーテル治療が主流になってきているとのことです。
動脈瘤は、胸部・腹部とにみられるもので、心筋梗塞や急性腹症として緊急搬送される場合も多く、リスクの高い手術になります。 幸いにも、血管の瘤が、40mm以上でも、偶然に腹部エコーなどで発見された場合は、ステントを用いた治療で十分よく治りますし、術後早くから歩行も可能だと言います。
静脈瘤は、下肢によく見られ、軽度から痛みを伴う重度まであって、とくに女性の患者さんを悩ませます。 もちろん、医者も今までは弾性ストッキングなどで対処していたものが、積極的に治療できるように選択肢が拡がったそうです。 まずは相談をしてくださいということです。
以上の疾患に関しては、わたしは今回の講演でしっかりと「診断と治療」について把握できました。
そう言えば、NHKの『プロフェッショナル』という番組で、東京のある私立大学の血管外科の教授を取り上げていました。 名声を聞きつけて、彼の外来診療日には、全国から患者が集まるので、朝から始まった診療時間が翌日までかかることもあると話していたのには驚きました。 ほどほどでいいですよ ネ