現在、オガクリに通院中の患者さんの中に、わたしの母をよく知っている人がいます。 その方が大切にしているという若い頃の写真をお借りすることができました。
セピア色に少し変色してはいるが、人物の表情や着物の柄までよく観察できます。 60年以上も前のものだから、保存は良い方ではないだろうか。
真ん中に立っている人物が母です。 向かって右側が患者さんの Sさんで、左側の方も Sさんと言うそうで、東北地方で暮らしていると話してくれました。 右側の Sさんは、生まれた土地の松前町白神で結婚し子供、孫、ひ孫に恵まれて、ご主人の介護をしながら、元気に老後の生活を送っています。
この写真は、 通院中のSさんが言うには、仲の良かった三人が裁縫教室に通っていたある日、記念にと思い立って撮ったものだそうで、大事な宝物だと話してくれました。
わたしの母は、子供の頃は生活苦と兄弟が多かったため、弟妹の子守で小学校も充分通えなかったし、卒業と同時に奉公に出されたと聞いていたものだから、辛い青春時代ばかりを想像していました。
ところが、この写真の様子を想像するに、奉公で苦労した後は、少しは生活にゆとりができていたのかなと思われ、何だかホッとした気持ちになりました。
じつは、今日が29回目の母の命日でした。 合掌 ですネ