6/13(土)
水無月の札幌は、祭りで大賑わいとなる。 『ヨサコイソーランまつり』に北海道神宮の例大祭にと、とにかく街は活気づくのです。 その街にふさわしいのは、ライラックの木々の花々です。 薄紫や白い花の香りも嬉しいものです。
東海大学の乾淑子教授が、道新の「魚眼図」にライラックという文章を書いています。 先生は、『赤毛のアン』の本の中でライラックの花に出会ったそうです。
『赤毛のアン』の原題は、『アン・オブ・グリン・ゲイブルス』と言い、直訳では「緑の切り妻屋根のアン」となります。 この本の訳者 村岡花子さんは、太平洋戦争前にカナダ人の女性宣教師から原書を託され、密かに訳して、昭和27年に出版にこぎつけました。 始めは「窓辺に倚(よ)る少女」と題名を決めたが、編集者が『赤毛のアン』という案をだしたそうです。 村岡さんは、気にいらず家族の前で、その話をしたところ、娘さんが『赤毛のアン』の題名に大賛成をし、一歩も譲らなかったため、やむなく花子さんはそれに従ったというわけです。 娘の恵理さんの若い感覚が、大ベストセラーを生んだわけです。
わたしが米国ロス(UCLA)から帰国して臨床研修した芦別市の市立病院は、空知川の岸辺に建っていて、院長はじめみなさんが温かく迎えてくれました。 五年間在住の間に、芦別市に「カナディアンワールド」なる構想が持ち上がり、街はおおいに賑わいました。
が、結末はご存じのとうりに終わり、『赤毛のアン』の家をたずねる人も今は・・・。 寂しいですが、現実です。 当時、もっともっと『アン』のことを知っていたら・・・と悔やんでいます ガ