2009年6月3日水曜日

新型インフルエンザ

6/3(水)

 そろそろ国内初の新型インフルエンザ感染について、何か書かなければならないでしょう。 

 5月9日、成田空港でカナダから帰国した大阪の高校生が初めての感染者と確認され、その後、海外渡航歴のない神戸の高校生も新型インフルに感染していることが確認されました。 その対策方針をめぐっては、厚労省と現地の県・市側の対応に差異がみられ、医療界にも課題を残しました。  

 当初、メキシコで集団発生した豚インフルエンザ(H1N1)は、高感染性のインフルとみられ、WHOでも警戒水準を「4」まで引き上げたため、各国もそれにならって過剰な(?)対応を強いることになりました。  日本では水際対策を取り、“新型”と名づけられたインフルの国内侵入(入国)を阻止しようとしました。  今のところ、世界で一万数千人の感染者で、100人以上の死者がでていますが、高感染性とは言えないようです。  

 文芸評論家の斎藤美奈子さんは、今回の “新型インフルの騒動は危機あおる社会の危うさ” と題する新聞投稿をしています。  三大感染症の結核は、毎年世界で900万人以上が新たに発症し、毎年160万人以上の人が死亡しているのです。  日本でも毎年2万5千人以上の発症、2千人以上の死亡者がいます(厚労省HP)。  単純計算しても、毎日5人以上が結核で死亡している勘定になると述べています。  日本はまだ結核の「中」のまん延国だということで、新型インフルよりは、こわい感染症だと述べています。

 さて、新型インフルエンザ・A/H1N1は今年の秋以降の流行が心配されるところですが、国立遺伝学研究所五條堀孝教授が遺伝子データの分析からまとめたところによると、今回のウイルスは北米の豚のウイルスから13年前の1996年に分枝し、すでに存在していた可能性があり、満を持して人に感染したと考えられるということです。 

 本当に、ウイルスってしつっこくて、怖い生物です ネ 
 (写真は 白神岬で見た天使のはしご