脳梗塞は、発症から2時間以内の早い時間帯で条件が許すならば、 「tPA」 という薬品を投与することによって、脳血管内の梗塞部分を溶かし、治癒することができるようになりました。 社会復帰も可能になったということです。
「tPA」とは、組織プラスミノゲン活性化因子といって、もともと血液中にある酵素で、プラスミノゲンというタンパク質をプラスミンに変える働きをするものです。 じつはこの薬は、心筋梗塞の治療に使われていたものですが、05年から脳梗塞へも適応が拡大したのです。
そんな便利な薬が、今度は血液の流れが途絶えて「壊死をおこした組織の再生」に有効だという実験結果を東大医科学研究所の服部浩一先生らのグループが明らかにしたと、今日の道新夕刊で報じています。
まだ動物実験段階だが、「tPA」を注射することにより、壊死組織にいろんな細胞の基になる「幹細胞」と思われるものが集まってきて、細胞修復のメカニズムが働いて組織の再生が行われるということです。
現に,人の足の動脈の血管が詰まる(閉塞)ことによって足が痛くなって歩けなくなり、足の指が冷たくなってしまう病気;ASO(閉塞性動脈硬化症)に、幹細胞を注射することで血行が改善するという臨床成績も報告されていますから、 「tPA」が結果的に幹細胞を誘導するようになるなら、すばらしいことです。
このASOという病気は60歳以上では、4~5人に一人の割合で発症していると言いますから、結構患者さんは多いと思います。 みなさん 血圧や脂質異常に気をつけましょう ネ