2010年3月28日日曜日

医師会定時総会と「光る」講演

3/28(日)
 定時総会後の講演に感銘しました。 

 川崎医科大学内科学腎臓科教授の柏原直樹先生のお話は、高血圧患者にとって嬉しい報告でした。 左の図は、腎臓の「糸球体」という組織の絵で、糸球体の内膜を蛍光染色して光らせています。  糸球体は血液中の老廃物を濾して尿を生成してくれる大事な働きをしています。

 高血圧ラットというモデルの糸球体では、正常な血圧の状態では血液中のタンパクは血管から漏れ出てくることはありませんが、高血圧の状態が続いている時は、タンパクが漏れ出てきて、尿蛋白陽性という結果になります。 同じ機序で、血糖が高い状態すなわち糖尿病の時も、重症化すると尿蛋白が陽性になります。 図のピンク色が漏れ出ているタンパクです。

 ところが、今回の講演で柏原先生は、いったん血圧や糖が再び正常化すると、今まで漏れ出ていたタンパクは、まったく尿に検出されなくなるという生体反応を、動画で見せてくれたのです。 画期的な実験だと感心しました。 

 一般の人でも、一目瞭然というわけです。 ふだんの血圧を正常に保つか、血糖を正常化し安定させるか、ということがいかに大切かを改めて強烈に教えてくれました。 

 検診や普段の診療でも「血圧と血糖」の重要性、つまり「生活習慣の見直し」をおおいに強調しておかなければなりません ネ