2010年9月17日金曜日

町指定文化財の一般公開

福島町の来迎観世音菩薩
町教委主催の町有形文化財 「円空作 来迎観世音菩薩座像」・「松前神楽用獅子頭」 と道有形文化財「宮歌村文書」の一般公開が町福祉センターで行われ、町内外から予想以上の見物客が訪れていました。

函館からご夫婦でこられた来場者もいたそうです。 三点のうち、何を目当てに来られたのか判りませんが、会場には文化財調査員Y.M さんがいて詳しく説明してくれていましたから、おそらく展示されていた文化財については十分理解を深めて、満足して帰られたものと思っています。


わたしも、町内の吉野教会の所有となる町有形文化財の「円空仏」を拝観するのは、13年ぶりとなります。 当時(平成9年)、松前町在住の郷土史家で松前町史編纂の編集長でもあった永田富智さんを編集長とした「福島町史」の編纂事業は一段落し、自分の生まれ育った町の歴史に町民の多くの方々が興味を持ちました。 そして、町内の歴史愛好家の人達が歴史への関心を継続して持って欲しいと『福島町史研究会』が結成されてから2年が過ぎていました。 

吉野教会の円空仏の各名称
平成9年度の「研究会」の年間事業として、各地区の町内に関係した歴史をひとつ取り上げて、その町内会の方々にも参加していただく「出前 歴史講座」を開催する事としました。 吉野地区で歴史的に興味あることと言えば、吉野教会に所蔵されてある「円空仏」であります。 9月10日、町教育委員会の協力も得て、吉野教会で「出前 歴史講座」が行われました。 勿論、講師は永田先生です。 白い手袋を履いた先生が、会場にいっぱいとなった地元町内会の方々や研究会会員らに丁寧に仏像の見方を教えてくれました。 

当時のわたしは、初めて見る「円空仏」に対して、観音様という仏像としての、貴重な文化財としての接し方、見かたしか出来ませんでした。 50cm弱の大きさの像の頭部は首がなく、胴体にのめり込んでいるようにも見えますが、道内には40数体しかなく、江戸時代の初期の頃(1666年)の作像で、その40数体の中でも保存状態が良く、像としてバランスがよく完成されたものだと説明されればされる程、ただただ有難いと思って見物していました。

その良さを感じるようになるには、もっと年数が必要でした。 今回の一般公開を契機に、「円空仏」についての情報を、その良さを多くの方々に知ってもらえたらと思います ヨ